朝のトレーニングは脳にいい?ニューロンの仕組みとともに解説

ニューロンとは?

ニューロン

ニューロンとは生物の脳を構成する神経細胞のことをいい、ものを覚えたり考えたりするのに必要な細胞と言えます。
ニューロンは画像のように樹状突起、細胞体、軸索などで構成されています。

ニューロンは年をとるにつれて生産量が少なっていきますし、ストレスにさらされたり、鬱状態が続いても少なくなります。

運動による脳への効果

トレーニング

それでは運動をした場合、脳やニューロンへはどのような効果があるのでしょうか?
運動による脳やニューロンへの影響は様々ありますが、ここでは2点解説します。

①運動によってニューロンが強化される

運動をした場合、そのストレスによってニューロンは傷ついていきますが、修復のメカニズムが働いて前よりも強くなっていきます。
この点はニューロンも筋肉も同じですね。

また運動はニューロンの回復プロセスにスイッチを入れるうえに、ストレス耐性の閾値も上げてくれます。

つまり運動によってニューロンは強くなると言えます。

②運動によってニューロンが生まれる

少し前まで生まれてからニューロンの量は決まっており増えることは無いと考えられていましたが、最近の研究ではニューロンを増やすことは可能だと分かっており、運動によってニューロンを新生することができます。

ただし運動によって新生したニューロンも何もしなければ、同じペースでニューロンは死んでいってしまいます。
それでは、運動によって生まれたニューロンを生き残らせていくためにはどうすればいいのでしょうか?

ニューロンを生き残らせるには?

運動によって新生したニューロンを生き残らせていくためには、生まれたニューロンの軸索に信号を流さなければなりません。
つまり、生まれたニューロンに「刺激」を与える必要があります。

「刺激」とは学習や複雑な動きが必要となるスポーツなど頭を使うことを言います。
そのような「刺激」を与えることでニューロンが長生きしてくれます。

アメリカのイリノイ州のネーパーヴィルの学校には「0時限目」があり、朝に運動をしてから授業に取り組んでいます。
この大事な点は、授業が終わった後に運動をしているのではなく、運動をしてから授業をしている点です。

ネーパーヴィルの学校ではその取り組みをしていった結果、理科と数学のテストを世界的に行っているTIMSSにおいて、理科が世界1位、数学が世界6位という記録を創り出したのです。

ニューロンに刺激を与えるには?

ニューロンに刺激を与える行為にはどのようなものがあるのでしょうか?

ここでは参考文献に書かれている内容と私の考えを元に具体的な例を挙げていきます。

・運動をした後、勉強やブレーンストーミングなどを行う。
(2007年の実験で最大心拍数60~70%の運動をしていたグループは、運動していないグループに比べて認識の柔軟性、回答速度が上がった研究があります。)
・脳を使う有酸素運動をする(テニス、サッカーなど)
・有酸素運動の後に酸素消費量の少ない技能を必要とする運動をする(ロッククライミングなど)

このような技術習得や過去の記憶を思い出す、覚えるなど頭を使った活動が重要となります。

終わりに

以上の内容から、仕事での生産性をあげていきたい社会人の方や学校での成績を上げたい学生の方、技術習得をしていきたいスポーツマンの人は、その作業をされる前に運動をされてみてはいかがでしょうか?

ここでは記載できておりませんが運動による体への効果はニューロンの新生だけでなく、ストレス耐性の閾値が上がったり、セロトニンが分泌されるなど様々な効果があります。

是非、運動習慣を生活に取り入れて頂き、よりよい毎日を送って頂ければと思います。

※参考文献「脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方 著者ジョンJ.レイティ」

執筆者:takashi horikawa